NHKの実情を示す小説{ガラスの巨塔}

NHKの番組で過去最も評判を得た放映は「プロジェクトX」である。この放送は長期間続いたが最後まで人気があった。私もファンの一人であった。
「ガラスの巨塔」は当時のプロデューサー今井彰氏が例の万引き疑惑事件で退職し、呪縛を解消し小説を書き上げ出版したものだ。
万引き事件は彼の晩節を汚した真に恥ずべき事件だが、書き上げられた小説を読みNHKという巨大特殊法人の実態がおぼろげながら理解できた。
大体私が今まで想像していたことと大きくは変わっていない。お陰で確信を持てたのは収穫だった。

彼はこの組織を「黙っていても莫大な聴取料(受信料)が転がり込んでくる組織」と明言している。また凄まじい権力闘争の場であること。そのためのお互いの足の引っ張り合いを常に演じていること。男同士の嫉妬が渦巻いていること。能無しで巧く立ち回るものが出世すること、そして視聴者からタダで集めた潤沢な資金を湯水のように使いまくること。そしてかつての会長のエビジョンイルの絶大な権力のこと等…
この巨大特殊法人が如何にドロドロし視聴者の期待に反するものであるかが今更ながら分かるとともに読んでいて無性に腹が立った。

これは「小説」であるとのことだが作り話ではなく実話か実録そのものである。このような体質は今もほとんど変わっていないと想像している。
この組織こそ事業仕分けの対象に取り上げ、組織を縮小して正常な姿にすることが政府に強く求められることだ。