責任力は聞いてあきれる

選挙の公示が行われ、各党党首の討論会が行われた。すべてを見たわけではないが、その中で真に不思議に感じたのは、現首相の麻生氏と民主党党首の鳩山氏の立場がまるで逆転しているかのごとき様相を呈していたことである。
いうまでも無く民主党は野党であり、今まで政権を取った事もない。責任政党は自公両党である。それなのに与野党そろって民主党の鳩山氏にマニフェストを追求したり質問したりしていたが全く解せない。
特に自民党の麻生氏が民主党は無責任極まりないとこき下ろしていたがはたして自民政権はどうなのか。責任ある対応をしてきたとは到底思われない。理由はいまさら述べるまでも無いと思われるが、我が国の国民無視の役人丸投げの間違った政治の結果、八方ふさがりの混迷状態に陥ったことがこのことを如実に示している。
首相は憎々しげに民主党の批判を繰り返しているがこれは決してプラスにならないどころか大きなマイナスだと思う。先ず自ら犯した数々の無責任な失政を詫び、自党のマニフェストを堂々と国民に対して説明し、必ずやり抜く決意を示すのが立派な宰相のとるべき態度ではないのか。
これらのことで国民は麻生首相や現政権に強い不満があり首相の高圧的な態度に強い嫌悪と反発を感じているはずである。
首相は最近の経済動向の数値が改善されたことについて政策の成功だと自画自賛したが、これは巨額の赤字国債や密かに隠し持っていた埋蔵金等を使えば当たり前のことだ。このようなカネを使っても何も効果が出なかったら大変なことである。ただしこれはカンフル剤に過ぎないとも云われている。
お隣の中国を見てみると思い切った財政出動で我が国のみならず今や世界経済の救世主、力強い牽引車になり、その存在と指導力アメリカさえも一目置いている。その大きな存在感は到底我が国の比ではない。
首相は日本国の社長なら他国の社長であるトップリーダーと比較されることを十分念頭に置いた対応が強く求められる。
勿論私も民主党マニフェストに総て賛意を示している訳ではなく、高速道路の無料化や高校生の授業料の全額免除等には大きな疑問を持っているが、役人依存からの脱却や無駄遣いの徹底的な排除をやろうとしている強い意志は感じている。
国民の選択がどのような結果になるのかは分からないが、いま我が国は重大な岐路、または崖っぷちに立たされていると理解しており、首相から云われるまでもなく、この10日間熟慮して30日には貴重な一票の投票を行うつもりである。主権在民の意味を再度噛み締めてみたい。