地デジ完全移行は大失敗するだろう

最近、政府や放送業界では三年後の完全移行に対して危機感があるのか色々な宣伝に躍起になりつつある。だがデジタル放送そのものの発信基地の整備に比して、受像可能のテレビの普及は遅々として進んでいないし契約率はもっと低いはずだ。私が知りうる限り受像機でも普及率は30%足らずだ。
おそらく移行直前の受像可能の世帯は多くても7割程度だろう。

完全実施などは到底おぼつかないだろう。これは私自身のことを考えれば当たり前のことだと思っている。役所が金科玉条のように振りかざす「法律だ」では世の中通用しない。これは今度の「後期高齢者医療保険制度」の大混乱でも立証されている。

うまくゆかない理由はいくつかあるが、思いつくままに列挙すると
*テレビジョンそのものは安価になってきたが、庶民や高齢者にはまだまだ高すぎる
*テレビのみならず莫大なアンテナ工事を必要とするが、ケーブルテレビの普及は低い
*視聴者から見て移行には何のメリットも無くカネがかかるだけ
*テレビに代わる情報入手や娯楽はいくらでもある
*NHKの受信料が高額かつ非常に不公平である(デジタル放送契約拒否)
*若者のテレビ離れがますます進むし無関心になるだけ  等だ。

それ以外に地球温暖化や資源の無駄遣い等の問題もあるし国民的な合意には至らないだろう。今仮にアナログをストップされても少しも痛痒は感じない。

見られなくなったらそのままでも結構である。私は未だに2000年製の15インチ、ブラウン管テレビを見ているが、一日に見る時間は限られているせいか何の支障も無く、鮮明な画面だ。画像は所詮は「虚像の世界」でありハイビジョンにしても真実ではなく「偽者」だ。買い替えはもったいないし資源の無駄遣いだ。

私が今試そうとしているのは近く合法的に売り出される、地デジ対応のキャプチャーをPCに取り付けることだ。またワンセグもありうる。これが手っ取り早くかつ安価に地デジを見る手段だと思っている。このような人々も数多く居ることを役所はよく理解して納得できる対応をすべきだろう。
我々が納得しうる対応策を考え実行するのは総て為政者や役所の責任であることは云うまでも無いことだ。