大相撲の賭博汚染は泥沼

連日のように相撲界の賭博行為が大々的に報道されている。
真に驚くような実態だが、やはり…という気持ちもあり、妙に納得もした。「やはり…」というのは力士は勝負事や賭け事が本質的に好きであり、またタニマチと称する連中との付き合いから、いかがわしい人物、特にヤクザとの関係が切っても切れない環境にあるからだ。

相撲協会の対応の稚拙さや、古くさい隠蔽体質はいま始まったことではなく、改革が叫ばれながら全く変わっていない。
外部の識者が審議会や理事会に諮問したりアドバイスしても相撲界が聞く耳持たないのでは機能しない。
親方による弟子への殺人行為にも等しいリンチと傷害致死事件をはじめとして、麻薬の常用、横綱の泥酔暴行事件、そして今度は枡席チケットのヤクザへの横流しや65人にも上る力士や親方の賭博行為と真に恥ずべき反社会的不祥事が続発している。
私は過去いろいろ噂されてきたが公言することはタブー視されてきた、八百長相撲は日常茶飯事だっただろうと思うようになってきた。今度のことでますます心証は黒に近づいてきた。疑われても言い訳できない悪事が続発している。黒い噂は常につきまとっている。

云うまでもなく相撲は我が国「国技」と云われ、協会は「公益法人」で国から超優遇されている。今回の事件は国民からするととんでもない反社会的な事件であり到底看過できるものではない。
協会理事長等の責任は正に重大であり、今後徹底した責任追及があって然るべきだ。警察の捜査は厳しく行うのは当然だが、監督官庁文部科学省による徹底した管理監督と懲罰を強く要請する。現理事長が「今度こそ膿を出し切る」などと云っているがそれを信ずる者等いないだろう。

大相撲はプロのスポーツであるがオリンピックにも取り上げられていない「マイナースポーツ」である。神格化された伝統文化等とも云われるが非常に閉鎖的な偏った勝負事に過ぎない。
かつて現役の頃、枡席にお客さんの接待も含めて、かなりの回数、国技館に足を運んだこともあるが最近はテレビも見ない。理由はヤクザまがいの八百長競技等はスポーツできなくインチキ臭い一種の「見せ物」か「興行」に過ぎないと思っているからだ。

そのことに関連して付け加えれば、NHKが年間30億円というベラボウな放送権料を我々の受信料収入から支払い、場所中総ての取り組みについて放映し、美辞麗句を並べたてて礼賛することには違和感を強く持っている。これらの反社会的な協会や現役力士、親方らの主催する勝負を公共放送で無批判に放映し続けることは今後しばらく中止すべきだと強く感じている。

調査委員会の結果や捜査を待つまでもなく、文部科学省は国民の率直な意見をきちんと受け止め、この業界の抜本的な改革に本腰て取り組んでほしい。業界関係者には改革などは到底出来っこ無いので、このままでは相撲自体の存続すら危ぶまれるだろう。